JR西日本は新幹線の高速化を実現するための試験車両として500系900番台を試作しました。500系900番台はWIN350 (West Japan Railway's Innovation for the operation at 350km/h)と名付けられ、目標最高速度を350km/hとしました。
WIN350は6両編成で全て電動車とし、3両1ユニットで構成され、2・5号車に主変圧器を、その他の車両にVVVFインバータ制御装置を取り付け、300kWの出力を持つ誘導電動機を駆動しています。車体は300系と同様のアルミ合金製ですが、車体高さが3.3mに抑えられています。先頭車両の形状は2種類とされました。窓と車体の段差による騒音の影響を調べるため、一部の車両には窓が設けてありません。
台車は試験のため軸箱支持方式が異なる3種類が用意されました。これらの台車は乗り心地を向上させるアクティブ制御と車体傾斜装置の試験ができるようになっています。この車両による試験の成果をもとにして500系量産車の設計が行われました。
WIN350は1996年に廃車となり、先頭車が米原と博多総合車両所に保存されています。